メディアトーキングでは、関東学園大学経済学部経営学科が実施している、関東学園大学プロジェクト・ベースド・ラーニングに参画する。この取り組みは同大学の経営・会計コース3年ゼミ（中谷淳一准教授）の実践的な教育の一環として行われるもの。学生３〜５人を1チームとし年間を通じ、８〜１０社の企業側の具体的な経営課題を解決していく。当社では、昨年に続き、数社を同大学に紹介すると同時にメディアトーキングも学生に参加してもらい取材を通してメディアトーキングの課題、取材先への提案などを行っていく。当社としても学生ならではの若い感性を用い企業側からは見えない新しい視点を提案出来るのではと期待しています。企業にとってはほぼボランティア的な活動にはなりますが、学生にとっては仕事を実践的な場で経験値を上げられ、学生自身の将来設計にもなり、企業側にとっても、宣伝広告や将来的には人材確保にも落とし込める有意義なプロジェクトだと思っています。当社は年間を通じこのプロジェクトを取材していきます。

学生の最初のミッションは株式会社シーエスラボ、林社長への取材。化粧品業界の話やこれから社会に出る学生にとって企業が求める人材はどういう人なのか？など学生ならではの視点から同社を取材しました。
学生自らが取材し記事を書く。学生にとっては経営者に会って話を聞く機会もなかなかないので、いい経験になったととの事。今後は反省点などを踏まえ別の企業を取材していきます。下記は学生がまとめた記事です。

株式会社シーエスラボ　林雅俊社長に聞く！

　スキンケア・ボディケア・ヘアケア・雑貨などの化粧品の有用性試験・安全性試験まで、化粧品OEM受託製造を手がける株式会社シーエスラボは2004年創業。館林市に工場を、本社は東京に設立。東京生まれの林社長は、大学時代に「化学」を学び、その培った経験を生かせるのが「化粧品の製造」と考え化粧品業界に従事。もともと独立の意思を持っており同業界で独立を果たした。

「化粧品」製造という業界に従事し、化粧品が社会に対する役割が何か？と考えた時、林社長は「女性に笑顔になってほしい、女性が笑顔になればすべてが良くなるのではないか」と話す。その考えに至ったのは、2011年の東日本大震災での経験だという。東日本大震災が起こった一か月後に震災地を訪れ、その時食べ物や服は支給されるが、化粧品がないことを目の当たりにした。被災者に化粧品を配り化粧品を使った時の女性の「笑顔」は生涯忘れられないものになった。

社内においても社長という立場で、一番やり甲斐を感じる瞬間は、社員の笑顔を見たときだと話す。林社長は240名以上の社員と、社内のほかにも定期的な会食や、年に２回の個人面談を行うことによって社員とのコミュニケーションを取っている。面談とは主に、仕事に関する指摘等ではなく、あくまでも対面で直接話をしてコミュニケーションをとることを目的としている。「化粧品は人を笑顔にする」被災地で感じた思いが社員にも届き、売り手や買い手、消費者、メーカー、製造業、社員、環境、家族など「化粧品」に関わる人たちが、みな満足するような「八方良し」という考えを今も大切にいている。

化粧品業界も大きな変化に晒されている。創業時と比べて大きく変わったことは、「商品寿命の短さ」。大ヒット商品でも10年後に同じ売り上げをキープしている商品は、ほぼゼロであるいう。開発した商品が売れて人気が出ると、すぐにその商品に似たものが作られるのが今の時代である。また、SNSの普及により、これまで製造コストの大部分を占めた広告費が削減され、その分を化粧品の開発費にまわすことが出来ることも商品寿命の短さに繋がっていると考察する。ドラスティックに変化していく化粧品業界で今必要なことは「新規事業のアイデアを生み出し、実践するチャレンジ精神を持つこと」。同社でもそのような人材を必要とし、またそういう人材を育成していくことも同社の目指すところだ。林社長は「やがてそれが新しいビジネスになれればと思う」と語る。今後、シーエスラボという会社を、化粧品だけではなく何か新しいことに挑戦するなど、新しい価値を持ったものを事業化していき、さらに大きくしていきたいという。
林社長は、これから社会人を経験する我々に対し、「絶対に諦めないこと、正解はないのだからとにかくやってみる、行動してみることが大事」というメッセージをくださった。仕事を始めて最初の頃は誰もが苦戦する、そこで諦めてしまう人は少なくないという。しかしそこで諦めずに、上司や周りの社員に聞いたり考案したりするなど、次へ進もうとする人は、周りからも助けられ、将来見える世界が違ってくるという言葉が響いた。熱意、執着心、好奇心などは仕事をするうえで忘れてはならないことであるということを林社長は伝えてくれた。