まずは、がちゃがちゃでも形にしてみる! 廃棄される留袖から始まる新しい物語!
捨てられるはずだった留袖に、もう一度出番をつくれないだろうか。
そんな取り組みが少しずつ動き始めています。
留袖が大量に廃棄されているという話を聞き、何か別のものに転用できないだろうかと考えていました。
そもそも留袖は、結婚式などの晴れの舞台で着用されてきた日本の伝統的な衣装です。特に黒留袖は、黒地に華やかな柄が描かれているのが特徴。
着物として着る機会がなくなったからといって、その生地や柄の価値までなくなったわけではありません。
だったら、別のものに生まれ変わらせればいい!
そんな話から始まった取り組みです。
とりあえず作ってみた! そこから始まる可能性
今回、試作品ができたということで、途中経過の報告を受けました。
見せてもらったのは、留袖の柄を生かした小物や、洋服の襟元に取り入れたものなど。
これがなかなか面白い!
黒を基調とした生地に鮮やかな柄が映え、切り取る場所によってまったく違う表情になります。
これを巾着にしたらどうだろう?
トートバッグにしても面白い。
古着のシャツのヨーク部分や胸ポケットを、留袖の柄が入った生地に置き換えてみるのもいい。
既存の洋服に少し手を加えるだけでも、まったく違った商品になる可能性があります。
考え始めたら、方法はいくらでもあるんです。
「ちゃんと作れない」なら、ちゃんと作らなくてもいい!
今回、試作品を見せてもらう中で、「ちゃんと作れない」という話もありました。
でも、私はそれでいいと思っています。
最初からちゃんとしたものを作る必要なんてないんです!
とりあえず、がちゃがちゃでもいいから形にしてみる。
縫い目が多少曲がっていても、仕上がりが雑でも構わない。
まずは目に見えるものを作ってみること。
これが大切なんだと思います。
なぜなら、何もないところから完成形を想像して、あれこれ意見を言える人は、そう多くないからです。
「留袖を使って何か面白いものを作れないか?」
そう聞かれても、なかなか具体的なアイデアは出てきません。
ところが、目の前に試作品が一つあるだけで、話は変わります。
「ここをもう少し短くしたら?」
「この柄をこっちに持ってきた方がいいんじゃない?」
「これ、バッグにしたら面白そう!」
「この部分を別の生地にしたら?」
次から次へと意見が出てくる。
人は何もないところから想像するよりも、目の前にあるものに対して意見を言ったり、改良点を見つけたりする方が得意なんだと思います。
だからこそ、まずは形にしてみる。
そこから修正すればいいんです。
完成品を作るための試作品ではなく、次のアイデアを生み出すための試作品。
今回の取り組みは、まさにそんな段階です。
茂林寺から世界へ? インバウンド向けの商品としても
もう一つ考えているのが、茂林寺活性化プロジェクトとの連携です。
メディアトーキングでは、茂林寺周辺を盛り上げるための取り組みも進めています。
その中で、留袖を再利用した商品を、訪日外国人向けに販売できないだろうかと考えています。
日本の伝統的な着物の生地を使った巾着やトートバッグ。
しかも、同じ着物でも柄の切り取り方によって、一つひとつ違った表情になる。
日本文化を感じられる商品として、面白い可能性があるのではないでしょうか。
もちろん、実際に販売するとなれば、価格や品質、製作体制、販売場所など、検討しなければならないことはたくさんあります。
インバウンド向けの商品として本当に需要があるのかも、これから確かめる必要があります。
でも、それを考えるためにも、まずは現物が必要なんです。
実際に作って、見てもらって、意見を聞いてみる。
そこで初めて分かることもたくさんあるはずです。
人と人が会えば、アイデアは動き始める
メディアトーキングが取り組んでいるのは、単に人と人を紹介することではありません。
人と人、企業と企業が「会う」「話す」ことで、何か新しいものが生まれるきっかけをつくること。
今回の留袖の再利用も、その一つです。
一人で考えていても、なかなか先に進まないことがあります。
でも、誰かに見せて、話してみる。
すると、自分では思いつかなかったアイデアが出てくる。
そのアイデアを、また別の人に見せてみる。
そうやって少しずつ形になっていく。
最初から完成形が見えている必要なんてありません。
むしろ、何ができるか分からないからこそ面白い!
今回の試作品も、まだまだ改良の余地があります。
でも、それでいいんです。
いや、だからこそいいんです!
捨てられるものに、新しい役割を
留袖としての役割を終えたものが、巾着やトートバッグになり、誰かの日常で使われる。
あるいは、古着のシャツと組み合わされ、まったく新しい洋服に生まれ変わる。
そんなことが実現したら面白いじゃないですか!
そして、それが茂林寺を訪れた外国人の手に渡り、海を越えていくことになったら、さらに面白い。
まだ商品化が決まったわけではありません。
販売できるかどうかも分かりません。
でも、試作品はできました。
ゼロだったものが、ひとまず形になった。
これだけでも大きな一歩だと思います。
あとは、みんなであれこれ言いながら、直していけばいい。
大切なのは、最初から100点を目指すことではなく、まずは目に見える形にすること。
がちゃがちゃでもいい。まず作ってみる!
そこから、また新しい物語が始まります。

