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「おいしい」の裏側にある物語を届けたい。
〜市場で見えた、信頼が育てる一皿〜

「いいものをお客様へ届けたい。」
その言葉は、多くの人が口にします。
しかし、その言葉を何十年も貫き続けることは、決して簡単ではありません。
今回、メディアトーキングは、三代目岡田や・たんぽぽ亭の瀧澤代表とともに、大宮総合食品卸売市場へ仕入れに同行しました。
市場には多くの仲卸が並び、新鮮な魚が所狭しと並べられています。
その中で瀧澤代表が迷うことなく向かったのは、祖父の代から取引が続く鮪問屋でした。
迎えてくれたのは長川社長。
二人のやり取りを見ていると、「仕入れ先」と「買い手」という言葉だけでは表現できない空気が流れていました。
長年積み重ねてきた信頼。
お互いの仕事を理解し、お互いの目利きを信じているからこそ成り立つ関係。
「今日はこれがいい。」
その一言に迷いがないのは、何十年という時間の中で築き上げられた信用があるからでした。
社会情勢は大きく変わりました。
燃料費の高騰。
物流コストの上昇。
人手不足。
世界情勢によって変動する魚価。
食を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。
それでも市場は止まりません。
長川社長は、価格の話よりも先に、「いいものを届けたい」という話をしてくださいました。
利益だけを追えば、もっと効率的な選択肢もあるのかもしれません。
しかし、本当に届けたい品質を守るために、現場では毎日悩み、考え、選び続けています。
その姿勢は瀧澤代表も同じでした。
安い魚を仕入れることではなく、お客様に納得してもらえる魚を届けること。
だからこそ、長年信頼してきた仲卸を訪ね、自らの目で魚を見て仕入れる。
その姿から、「仕入れ」ではなく「責任」を感じました。
今回、長川社長はマグロの切り身を見せながら、その違いを丁寧に説明してくださいました。
「ここを見れば品質が分かる。」
「この色、この脂、この筋の入り方。」
専門的な説明を受けながら、記者として正直に思ったことがあります。
私は、その違いをすべて理解できたわけではありません。
けれど、長川社長の表情を見ていると、一つだけ確信できることがありました。
「この人は、本当にマグロが好きなんだ。」
少しでも良いものを届けたい。
そのために長年培ってきた経験や知識を惜しみなく伝えようとする姿には、仕事への誇りがにじんでいました。
その熱量は、専門知識よりも強く心に残りました。
プロとは、知識を持っている人ではない。
自分の仕事を愛し、その価値を守り続ける人なのだと教えられた気がします。
そして、今回の取材で最も印象的だったのは、瀧澤代表と長川社長の関係でした。
祖父の代から受け継がれてきた信頼。
時代が変わっても、価格が変わっても、その信頼だけは変わらない。
「この人が選ぶなら間違いない。」
「この人なら安心して任せられる。」
そんな関係は、一朝一夕では生まれません。
長年、誠実に仕事と向き合い続けてきた人だけが築ける財産です。
私たちは店で料理を口にするとき、その一皿しか見ていません。
しかし、その一皿の向こう側には、市場で魚を見極める人がいて、その魚を信じて仕入れる料理人がいて、何十年も積み重ねられた信頼があります。
今回の市場同行で、メディアトーキングが伝えたいものが、改めてはっきりしました。
私たちが伝えたいのは、商品の紹介だけではありません。
その商品に込められた想い。
その価値を守る人。
そして、人と人との信頼が生み出す物語です。
それは数字では測れず、写真一枚だけでも伝わらないものです。
だからこそ、現場へ足を運び、自分の目で見て、自分の耳で聞き、自分の心で感じたことを伝えていきたい。
今回、市場で出会ったのは「マグロ」ではありませんでした。
人を信じ、人に応え続ける仕事の美しさでした。
その姿があったからこそ、一皿の寿司は、ただ「おいしい」だけではない価値を持つのだと感じています。

店名:三代目岡田や たんぽぽ亭
代表:滝澤成彦
住所:館林市楠町3648−1
TEL:0276〜75〜5312
営業時間:午前10時から午後8時
定休日:不定休
インスタグラム:3daime_okadaya

店名:まぐろ卸売 有限会社 丸長
代表取締役社長:長川和弘
住所:埼玉県大宮市北区吉野町2−226−1
TEL:048〜653〜5119